ぼくが犬だったら、
ぼくが犬だったら、背後に感じるその存在感と、なにやらブツブツ…他人を気にせず、自分の世界にいる男。マンション前の歩道でトレーニングをしている。 そもそも、こんなところで全力疾走するなよ!バイクで帰宅、防雨カバーを掛けているとこちらに向かって走ってくる! (うわっ!)暴走列車なのか!と、思うくらいの勢い!背中をかすめて、走りさる…ゼイゼイと喘ぎながら、天を仰ぐ輩。そして、柔軟。そして、独り言。ブツブツ… (こわ)自分のトレーニングに酔っている感じがぷんぷん。何やらの独り言も自己陶酔に当てはまる気がする。僕の存在は、彼の中に見えていない。その無神経さに腹が立つ!僕の名前は太だが、僕が犬でなくて良かった。彼が犬の僕の方へ走ってきたら、その後を追いかけるに違いない。狩猟本能むき出しになるに違いない。忠実な羊追いになること間違いなし。なぜ、ここで走るのだ?ん?なんか、知ってるぞ。なんだ?ああ、あれか。わざわざ皇居を走る人たちだ。うむ。あそこも猟犬多発注意地帯。
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