通勤電車の一人芝居
通勤電車。
やけに大きな声でおばさん達がしゃべっているな。と、
思ったが…
それが違うと、すぐに気がついた。
おばさん “たち” ではなく、50代の女性がひとりでしゃべっている!
車内は彼女の一人芝居のステージになっていたのだ!
いっこうに止まらない、彼女のおしゃべり。
やがて彼女の演目は隣りの人へのクレームに変わっていた。
「マスクしていても風邪はうつるのよ… 云々」
「被害届は出せないの、うちの娘だって… 云々」
咳き込み、俯いるサラリーマンに浴びせかけている一人芝居。
彼女、なぜか濡れ髪だ。
服装はさっぱりしているのだが演目はこってりしていて、止まらない。
しかも、顔は真っ白でさっぱりしている。
ガターン、ゴトーン
一人芝居は止まらない。
僕の知らない、聞いた事もない統計なんかも例にして続ける続ける。
途切れる事の無い台詞の数々…
濡れ髪の一人芝居は何駅も続く。
ガターン、ゴトーン
乗り合わせた観客たち…
落着かない目線を宙に浮かせたまま
一人芝居電車は都心へと向うのでした。
ららららららららら♪
肩に手を置かれていたなあ、
あのサラリーマンに合掌!
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