虚無感を埋める作業開始
自分の自我や何やら解らない世間へ対しての
エネルギーを放出するがために
公募展に作品を出していた20代の頃。
本棚に並んでいたお気に入りを潰して作品を造った。
全ては発売当時に買った村上春樹の初版本。
これはいいぞ!グランプリ間違いなし!
宝物の本を潰してまでの根拠のない勢い。
何も解っていない、若輩な僕がいたのだ。
今となっては訳の分からない、
もちろん一次審査も通らないマスターベーションなオブジェ作品だった。
多くの本はボロボロになり、破棄したのだが今も何冊か残っている。
1週間がたった今、それが読みたく。本棚を探した。
「土の中の彼女の小さな犬」 村上春樹
不安定な感情はやっと落ち着いた。
涙の量も日々減ってきている。
だけど、なんだかそれも悲しい。
どんどん、薄く、小さくなっていくその感情が
この時代の作品が好きだ。特に短編集。
日々の生活の中での彼女の何気ない事や自分との関係。
それまでは全然気にもとめなかった事が無くなってしまった喪失感。
もう、いないのだ。ここには。
まだ、埋まらないのだ。こころの空洞は。
12年間、ありがとう。
何処へいったのかな。テンは
テン 1998-2010 ( 雌猫 サビ柄 )
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▲いつまでも、くよくよしてはイケナイ。前向きだぞ俺は。
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