怖いのは頭の中と人。
おばけが怖かった小学生のとき。
不思議な経験はした事はあるけれど、
まだユーレイは見た事はない。
結局のところ、
ユーレイとは自分の頭の中で勝手に作り上げたソウゾウなのだ。
たぶん。
カタチが無いぶん、怖かったのだ。
今は違う。
ユーレイはもう怖くはない。
夜、トイレも一人で行ける。
怖いのはユーレイではなく、人なのだ。
人。
自転車で通勤途中。
いつもの緑道。
前方に上下ジャージを着た男が
全速力でこちらに向って走って来る!
タッツ!タッツ!タッツ!タッツ!
ん?なんだ!
男子100M決勝!のような凄まじい走り。
両手は大きく振られ、膝も高く上がっている!
ウサイン・ボルト級だ。
こ、こわい!
タッツ!タッツ!タッツ!タッツ!
うわああ!向ってくる!下りの遊歩道。
道路下に掘り込まれたトンネル。
左右の壁はコンクリーで固められ逃げ場は無いのだ!
自転車も加速している!
ボルトの姿も迫ってくる!
タッツ!タッツ!タッツ!タッツ!
やられる!
3m接近!彼の表情がわかる。
目線は僕の後ろを凝視していた!
助かった!(僕を狙っている訳ではない)
颯爽とすれ違う、ボルトとへたれな俺。
もし彼が僕をガン見しながら走って来たのなら、
こんなに怖いものはない。
だって、全速力だよ。全速力。
腕も大きく振れていたし。
オバケは恐くない。
どんどんと妄想を広げる自分の頭の中が恐い。
人がやらかす事と、自分のマイナスな想像力それが一番厄介だ。
また出会えたら、ボルトの走りを写真撮ります。
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